デンタルコラム-Column-

デンタルコラムvol.13 歯磨きのタイミング

2023.11.01 Wed.

「ご飯を食べたら歯を磨きましょう」と小さい頃から家族や周りの人に言われてきた方も多いのではないでしょうか。
実際に、少し前までは「食後3分以内に3分間1日3回磨くと虫歯になりにくい」と言われる「3・3・3運動」が呼びかけられていました。
この運動は戦後に子どもの虫歯が酷かったことから、虫歯対策の1つとして始まりました。
1960年代からは学校でこの「3・3・3運動」をスローガンに各地で歯磨きを推奨してきました。
 
ところがこの運動は歯磨きの習慣化を促すものであり「虫歯の予防にはつながらない」ということが近年わかってきました。
今回のコラムでは虫歯予防に効果的な歯磨きのタイミングはいつなのか?について深掘りしていきましょう。
 
 
✅歯磨きの効果的なタイミングは?
 
結論から言いますと、歯磨きの効果的なタイミングは「夜寝る直前」と「朝起きて朝ごはんを食べた後」 です。
 
 

1.夜寝る直前

夜寝る前の歯磨きは1日の終わりに口内を清潔に保つために欠かせません。

だ液は「天然のリンス」と呼ばれ、口内にだ液があることで虫歯や歯周病を防いでいます。
しかし、寝ている間にはだ液の分泌は少なくなってしまうので、もし食べ物のカスが残った状態のまま寝てしまうと、だ液の天然のクリーニング作用が弱まり、虫歯や歯周病のリスクが高まってしまいます。

また、夜間は長時間食事を摂らないため、就寝前に歯を磨くことで汚れやプラークの蓄積を防ぎ、口内環境を整え細菌の増殖を抑制することができます。

 

2.朝起きて朝ごはんを食べた後

起きてすぐと朝食後、どちらかといえば、朝食後の歯磨きが大事です。

なぜならば、寝る前にしっかり磨いているので、朝起きた状態では食べ物のカスなどが取れている状態だからです。
しかし、朝食を食べれば、歯に食べかすが付着し、その食べかすを元にプラーク(歯垢)がついてしまいます。
すると時間の経過とともに、口内は細菌でいっぱいになり、虫歯のリスクが大きくなります。

 
✅効果的な歯磨きの方法
歯磨きはタイミングも重要なのですが、歯磨きの方法もとても大切です。
「ただ磨けば良い」と適当に磨いてしまうと、逆に歯を傷つけてしまったり口内環境を悪化させてしまう場合があります。
ぜひ、効果的な歯磨きの方法も合わせてみていきましょう。
 
 

1. 歯と歯茎の境目に合わせる

歯ブラシを歯と歯茎の境目に合わせて、小刻みに、軽い力で磨きましょう。

この時、毛先を歯肉溝や歯周ポケット内に入れることを意識しましょう。 歯茎を傷つけることなくプラークを効果的に除去することができます。

 

2. 全ての面を磨く

歯の表面だけでなく、裏側や噛み合わせ面もしっかりと磨きます。
ですが、力をいれてゴシゴシと磨いてしまうと、歯のエナメル質を傷つけてしまいます。
柔らかく小刻みに振動させ1本ずつ丁寧に磨きましょう。

 

3. フッ素入り歯磨き粉を使う

フッ素入りの歯磨き粉を利用することで、エナメル質を強化し、酸によるエナメル質の溶解を防ぎます。
また、フッ素はすでに傷ついた歯のエナメル質の再石灰化を促進します。
これにより初期段階の虫歯の進行を防ぐことができます。

 

🌟まとめ

 
 
歯磨きの方法は日夜最新の研究とともに進化しています。
以前は「3・3・3運動」のように定期的な歯磨きが推奨されていましたが、現在は1日3回の歯磨きが必ずしも全ての人に適している訳ではないことがわかってきました。
最近では、小学校でも給食後に歯磨きをしない学校も増えてきています。
 
「夜寝る直前」「朝起きて朝ごはんを食た後」の2つのタイミングで歯磨きをすることで、長期的な歯の健康を保つことができます。
口内環境を維持するためにも、寝る前と朝食後の歯磨きを1日のルーティンに取り入れてみましょう。
 
しかし、単に歯磨きの頻度や方法だけで口腔内の衛生環境を保つのではなく、日々の食生活や生活習慣も重要です。
 
また、定期的な歯科検診も忘れずに受けましょう。検診では虫歯や歯周病の初期段階を発見し、早期治療を行うことができます。
さらに、歯の専門家から歯の磨き方やフロスの効果的な使用方法に関するアドバイスを受けることができます。
歯を健康に保つためには日々の積み重ねが大切です。
 
もしお口の健康のことでお悩みのことがありましたら、みさきデンタルクリニックまでお気軽にご相談ください!